1月 7日(金):「台所サロン」の新年会は「七草粥」を参加12名全員で、作って楽しみながらスタートした。一つ目の鍋は伝統的な七草粥を土鍋で塩味仕立て。二つ目の鍋は「餅入り」バージョン。味は鶏肉ベースのコンソメ味に青味であった。
また、デザートは4期生青葉教場の船山君手作りの「チーズケーキ」の試食であった。
七日(なぬか)は正月七日の略である。七種(ななくさ)の日である。七種はもともと宮中で、京洛周辺の七つの野から摘んで来た「野草」を「粥」に加えて祝った行事から一般に普及したものであると「歳時記」にある。
これにも地方色があるようで「雑炊」であり「雑煮」であったりする。「菜」は六日の晩に「俎板」の上で叩くが、そのとき「七種なずな唐土の鳥が日本の土地に渡らぬさきに七草なずな」といってはやした。もとは「鳥追いの文句」であったそうな。
春の七種は芹(せり)・薺(なずな)・五行(ごぎょう)・蘩萋(はこべら)・仏の座・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)である。
・七草の粥のあをみやいさぎよき |
松瀬 青々 |
・ことことと老の打出す薺かな |
村上 鬼城 |
・はづかしき朝寝の薺はやしけり |
高橋淡路女 |
・七日粥きのふは妻の生きてゐし |
佐藤をさむ |
・妻の耳わが耳遠し七日粥 |
樋口ただし |
「お粥」のお話です。皆さんは「粥の十徳」はご存知であろうか。禅寺では昔から「かゆに十徳」ありといわれている。その十徳とは次のようなものである。
1. 血行をよくする 2. 体力をつける 3. 寿命を延ばす 4. 体が楽になる 5. 消化によい 6. 弁舌が流暢になる 7. 風邪を引かない 8. 空腹をいやす 9. のどの渇きをいやす 10. 大小便の通じを整えるである
そもそもこれの十徳はお釈迦さまが説かれた「お粥の功徳」であるとか。また、「粥」は”妙薬”と名づけたとも言われている。胃腸に負担のかからない体にやさしい思いやりの料理である。「正月メタボ」になった体調をととのえるためのも良いと思いますよ・・!
◎俎始(まないたはじめ)または「庖丁始」
正月三ヶ日は、暮れのうちに用意したお節料理で食事をすませ、炊事を避けて一家揃って正月を祝い、寛ぐ習慣がある。しかしそれも心積りで、台所をあずかる女性は厨にたつことになる。新しく買い求めた俎、庖丁で炊事をはじめなければならない。新年になってはじめて俎を使い、庖丁を使うことを、俎始・庖丁始といった。
・山菜の瑞を俎始かな |
上田五千石 |
・柚子刻むだけの俎初めかな |
柄沢ひさを |
・生き鯵をたたき包丁始めとす |
小沢 幸子 |
|